銃撃事件で亡くなった安倍元総理の四十九日法要が25日に営まれました。事件を受けて警察庁は、当時の警備体制などの検証結果を公表するとともに、中村長官が辞職する意向を明らかにしました。
党本部の一室に続々と集まったのは自民党安倍派、「清和会」の議員。
西村大臣や萩生田政調会長、政務官に就任した杉田水脈議員や新人の生稲晃子議員の姿も。
自民党安倍派・塩谷会長代理:「本日は安倍会長の四十九日ということで総会にさせて頂きました」
安倍元総理の遺影と花束が置かれ、黙祷(もくとう)も行ったそうです。
関係者によると、四十九日法要は安倍元総理の自宅で、親族らで行われ、午後には自民党の関係者も訪れました。
来月27日に行われる安倍元総理大臣の国葬について、政府は午後2時から1時間半程度、参列者は最大で6400人程度とする方向で調整していることが分かりました。
全額国費負担となる経費については2億円を上回る見通しで調整を進めていて、26日にも閣議決定する方針です。
そんななか、安倍元総理銃撃事件の検証を行っていた警察庁で大きな動きがありました。
警察庁・中村格長官:「私自身については本日、国家公安委員会に辞職を願い出ました。今後、閣議でのご承認を仰ぎたいと考えております」
事件を検証し、国内の警護体制を抜本的に見直す報告書をまとめた警察庁ですが、組織のトップが事実上、引責辞任することになります。
検証報告書で、新たに分かってきた警備上の問題点とは。
警察庁・中村格長官:「1発目の発砲の前の段階で、身辺警護員等が被疑者の接近に気付いているべきだった。その必要があったというのがまず第一であると」
報告書によると、安倍元総理が銃撃された時、周辺には、4人の身辺警護員がいました。
北側を向いて演説する安倍元総理に対し、背後にいた山上容疑者が、南側から近付いて銃口を向けた際に、身辺警護員Aは北西側の聴衆を警戒。
身辺警護員Bは、北東側にある歩道上の聴衆を中心に警戒中。
身辺警護員Cは、別の対象者を確認して東方向から南方向に顔を向けた直後でした。
そして、警視庁の警護員Xは北方向を警戒中。
南側方向への警戒措置が取られなかったことで「警戒の空白」が生じ、危険が見落とされたとして警護計画に不備があったと認めています。さらには、この点についても。
1発目の発砲後の対応で、致命傷となった2発目の銃撃を防ぐことはできなかったのでしょうか。
実は、安倍元総理の背後である「南側」を警戒する役割だった身辺警護員Cは、直前に、ガードレール内側に「配置の変更」を指示されていました。
代わりの警護員が配置されていなかったそうです。
1発目の発砲直後に、山上容疑者の確保には向かったものの、ガードレールに阻まれ2発目の発砲を阻むことまではできなかったとしています。
事件を受けて、警察庁は警護室の体制を大幅に増員するとし警視庁は、各都道府県の警察官を研修し現場で対応できるエキスパートの教育を行っていくということです。
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