安倍元総理の銃撃事件から8日で1カ月となるなか、山上徹也容疑者(41)の新たな供述が判明しました。銃撃の際に「安倍元総理の隣の人に弾が当たらない距離に近付いた」などと話しているということです。
テレビ朝日が新たに入手した映像には、1カ月前の7月8日、近鉄大和西大寺駅のロータリーで安倍元総理が熱弁をしています。映像が多くの聴衆を映した次の瞬間、発砲音が鳴り響いた直後のことでした。山上容疑者が自作の銃を腹部の高さで構えながら、次の発砲に備えているのが分かります。
この前後、山上容疑者の脳裏にあったこととは。新たな供述が明らかになりました。
山上徹也容疑者の供述から:「安倍元総理の隣の人に弾が当たらない距離に近付いた」
他の人を巻き込まないように注意したということなのでしょうか。
演説を正面から捉えた画像には安倍元総理のすぐ近くに3人が立っています。
捜査関係者への取材によりますと、山上容疑者は1発目がおよそ7メートル、2発目はおよそ5メートルと距離を詰めて発砲しています。
動機について、これまでの供述では…。
山上徹也容疑者の供述から:「どうしても統一教会が許せず、それにつながっている安倍元総理を撃ったのです」
安倍元総理のみを狙った犯行。しかし実際には多くの人を巻き込む可能性がありました。
発砲した場所からおよそ90メートルの立体駐車場の壁には弾痕のような穴が3カ所、複数の穴に弾丸とみられるものがめり込んでいたのです。
一方、安倍元総理の警護について、朝行われた警察と演説関係者の打ち合わせでは後方の警戒の必要性などは検討されなかったことも明らかになっています。
当時の状況について、映像を撮影した人は…。
映像の撮影者:「(警護員は)1発目で動かなかったし、大分間があってから動いたという印象」
実は当初、安倍元総理の演説時にはこのような態勢が敷かれる予定でしたが、一部の警護員の判断で、演説直前にガードレール外側の1人が中に移動。前方の聴衆が想定以上に増えたことで、警戒方向も前方に変更されたといいます。警護の指揮官とは、意思疎通が取れていなかったということです。
会場運営に携わった山本憲宥奈良市議:「SP、奈良県警、我々のような選挙スタッフも含めて、やはり後方の守りというのはしっかりすべきだったなというふうに自分自身の責任も含めて改めて感じています」
銃撃の際、現場にいた自民党県連関係者は警護については「警察でやりますので」と説明をされたのみだったとしています。
警察庁の検証チームは、早ければ今月中にも報告書を取りまとめる方針です。
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