安倍元総理の銃撃事件で当時現場にいた警護員の証言内容が明らかになりました。演説の後、安倍元総理が聴衆と直接触れ合う予定だったため、前の方を集中的に警戒していたということです。
安倍元総理が銃で撃たれ殺害された事件で逮捕された山上徹也容疑者。
15日ぶりに見せたその姿は、以前とまるで変わらず、落ち着いているようにも見えます。
今回、事件当時の精神状態などを調べる、鑑定留置のため、その身柄が大阪拘置所へ移送されました。
期間は11月29日までのおよそ4カ月。
奈良地検は精神鑑定の結果を踏まえ、起訴するかどうかを判断します。
新たな事実も分かりました。山上容疑者は、去年3月からおよそ半年間、奈良県内で自宅とは別のアパートを契約。
その理由は「火薬を乾かすため」でした。
一方、検証チームを作り、原因究明を進める警察庁。
現場の警護員に対する聞き取りなどで、新たに凶行の瞬間の様子が明らかになってきました。一つは、「警護員たちの目」です。
当時、現場には奈良県警の警護員3人と、警視庁のSP、その他、複数の警備関係者がいたことが分かっています。
聴衆が想定以上に増えたことで、警護員の視線が前方に向きがちになり、後方からの山上容疑者の接近に気付けなかったという状況が明らかとなっています。
また、前方に注意が強く向けられた要因として、演説の後、安倍元総理が聴衆と直接触れ合うことが予定されていて、一部の警護員は、前方に不審者がいないか集中的に警戒していたということです。
新たに分かったもう一つの事実は「警護員たちの耳」に関することです。
安倍元総理を襲った2回の銃撃。
1発目の後、数秒後に起こった2発目の銃撃、これが安倍元総理の首などに当たり致命傷となりました。
この銃声の1発目について、奈良県警の警護員が「銃による音だと分からなかった」と話していることが警察関係者への取材で分かりました。
一部の警護員は。
警護員:「タイヤの破裂音や発煙筒が使われたと思い、発砲に気付くことができなかった」
安倍元総理の後ろで演説を聞いていた仲川げん奈良市長も、銃声という認識はなかったと話していました。
奈良市・仲川げん市長:「何かが破裂したような、打ち上げ花火を上げるような、火薬が爆発したような銃撃というよりは破裂音がしました」
安倍元総理も、銃撃と認識する前に倒れたのでしょうか。
倒れた時についたものなのか、よく見ると、マイクの持ち手には小さな傷、そして、白いカバーにもほころびが見えます。
元総理を狙った白昼の凶行は、防ぐことができなかったのでしょうか。
警察庁の検証チームは早ければ来月中にも、報告書を取りまとめたいとしています。
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