初当選以降、一度も国会に出席していないNHK党のガーシー議員(51)を巡って参議院懲罰委員会は21日、「議場での陳謝」とする処分を全会一致で決定しました。
去年7月の初当選以降、海外に滞在したまま一度も国会に来ていないNHK党のガーシー参議院議員。
NHK党・ガーシー参院議員:「俺みたいな人間が当選するには当選しただけの理由があるのよ絶対に。今の国会、今の政治家に対して何も納得してないから風穴開けたいから異物を送り込んだわけやんか国民が」
強気の姿勢を見せるガーシー議員に対し、21日の国会では…。
参院懲罰委・鈴木宗男委員長:「議員ガーシー君、懲罰事案の件を議題と致します」
参議院懲罰委員会でガーシー議員にどのような懲罰を課すべきか審議されました。出席を求められたガーシー議員ですが、やはり姿は見せず、代理としてNHK党の浜田政調会長が出席。ガーシー議員の弁明書を代読しました。
ガーシー議員の弁明書を代読するNHK党・浜田政調会長:「警視庁に刑事告訴されていますが、これらは虚偽告訴です。虚偽告訴の事実が明らかになるまでは私、ガーシーは不当な拘束を受ける可能性があるので帰国、登院をしません。以上でございます」
刑事告訴されているため、帰国すれば不当な拘束を受ける可能性があると主張したガーシー議員。このまま懲罰に応じなければ、除名に向けたカウントダウンが始まる可能性が…。
初当選してから半年以上、国会に来ていないNHK党のガーシー参議院議員。21日に開かれた懲罰委員会では、厳しい声が相次ぎました。
日本維新の会・清水貴之参院議員:「ガーシー議員は半年以上もの間、登院しなかったにもかかわらず、国民の税金から少なくとも計1700万円超が支給されている。とてもこのまま看過し続けるわけにはいきません」
立憲民主党・田名部匡代参院議員:「議員として最も重要な責務である審議や表決に一切、加わっていないことは看過できない重大な問題であると考えます。今回の件は除名に値し得ると考えます」
懲罰は重い順に「除名」「登院停止」「議場での陳謝」「議場での戒告」の4種類。懲罰委員会1回で除名を求める声も上がるなか…。
自民党・牧野京夫参院議員:「除名が議員の地位を失わせるということに鑑みれば、まずは公開議場における陳謝を持って臨むべきと考えます」
結局、全会一致で次の処分が決まりました。
参院懲罰委・鈴木宗男委員長:「公開議場における陳謝の懲罰を科すべきものと決定致しました」
本会議場に来て自らの非を認めて謝るという処分。正式には22日の参議院本会議で決まりますが、国会欠席を理由とした処分は憲政史上、初めてとなります。処分についてNHK党側は…。
代理出席したNHK党・浜田政調会長:「『1回除名』ではなく『陳謝』に落ち着いたことも妥当」
懲罰が正式に決まれば2013年、参議院の許可を得ずに北朝鮮を訪問し、登院停止30日の処分となった当時のアントニオ猪木参議院議員以来、約9年ぶりのことです。
21日は懲罰委員会の後に理事会も開かれ、ガーシー議員が陳謝する文案について協議。次のような文案に決まりました。
陳謝文案:「院内の秩序を乱し、本院(参議院)の信用を失墜させたことは誠に申し訳なく、深く自責の念に堪えません。ここに謹んで陳謝致します」
問題はガーシー議員が陳謝に応じるかということです。
代理出席したNHK党・浜田政調会長:「(Q.ガーシー議員が議場で陳謝に応じる可能性は?)ないです」
NHK党側はガーシー議員が国会に出席して陳謝する可能性はないと明言しました。
参院懲罰委・鈴木宗男委員長:「浜田さんは『出ない』と明確に言っていた?」「(Q.応じないと)…ということは帰って来ないということね。粛々と次の手続きがですよ、なされるものだと私はこう思っております」
ガーシー議員が陳謝に応じなかった場合、再び懲罰委員会が開かれ、自民党幹部によりますと、来月上旬に最も重い除名処分とする見通しだということです。
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