11日、警視庁に関係先の家宅捜索を受けたNHK党のガーシー参議院議員がSNSでライブ配信を行い、3月にもドバイから帰国することを明らかにしました。
NHK党・ガーシー参議院議員:「今ここで誰よりも先に、3月上旬に帰ることを伝えます。3月上旬に帰ってきたら任意事情聴取を受け、国会にも出て、オフ会もしようと思っています。オフ会も相当気を付けながらやろうと思っていますけど、とりあえずそういう状況です。だから警視庁に話しました。3月上旬、お前らに会いに帰るから。俺の中の一番の理由はお前らに会うことだから。お前らに会うことと国会に帰ること。この2つしかないです、理由は。任意の事情聴取はおまけかな。帰るから顔出すよくらい。俺からしたら。だから俺は日本に帰ります。堂々とね、凱旋(がいせん)します」
帰国を誓ったガーシー議員。2カ月後に注目が集まります。
NHK党・ガーシー参議院議員:「皆見といて下さい、ホンマに。国会で寝ているおっさん議員、全員たたき起こしますから。きっちりやったります!」
そう力強く宣言してからはや半年…。議員をたたき起こすどころか、一度も国会に姿を見せることはなかったガーシー議員。捜査関係者によりますと、11日警視庁は、ガーシー氏が動画投稿サイトを通じて、著名人らを脅迫した疑いがあるとして、関係先を捜索しました。
NHK党・ガーシー参議院議員:「まあ戦々恐々、色んな起業家や芸能人の方々、それぞれ皆覚悟しといて下さい!」
芸能人の私生活などを投稿する“暴露系ユーチューバー”のガーシー氏を巡って、警視庁は複数の著名人から脅迫や名誉毀損容疑の告訴を受理、容疑を裏付けるために強制捜査が必要と判断したとみられています。これを受けて議員らの反応は…。
日本維新の会・遠藤敬国対委員長:「あんまり興味ないんですけどね。興味はないけど、一つ言えるのは、もうちゃんと出てきて、国会議員なんですから」
公明党・北側一雄副代表:「捜査の着手があったというならば、当然国会議員として説明責任を果たして頂かないといけない」
待たれるのはガーシー氏が滞在し続ける、ドバイからの帰国。これまで“逮捕の可能性”があるとして帰国を拒んでいました。ガーシー議員の発言は国会議員が国会会期中であれば逮捕されないという「不逮捕特権」を意識してのことなのでしょうか。ただこの特権、例外もあると言います。
NHK党・ガーシー参議院議員:「国会が開かれている間であれば逮捕されない。不逮捕特権があれば胸を張って堂々と日本に帰りたい」
参院選立候補の理由の一つに、「不逮捕特権」を挙げていたガーシー議員。不逮捕特権とは、国会議員の権利の一つで、国会会期中は捜査機関によって逮捕されないというもの。
つまり、今月23日から150日の期間で、召集される通常国会の間、日本にいてもガーシー氏は逮捕されないというのです。しかし、例外はあると大澤孝征弁護士は指摘します。
大澤孝征弁護士:「議員でありさえすれば絶対(逮捕)されないのかって言うと、それほどまでの強い権利を与えることはないんじゃないかと。その例外的な場合が国会外での現行犯逮捕と、あとは両議院から逮捕の許諾があった場合以外は逮捕されない」
国会の会期中であっても、院外の現行犯逮捕のほか、所属する院の許諾があれば逮捕できるといいます。2002年には、鈴木宗男議員が国会会期中であったものの衆議院の逮捕許諾を受け、あっせん収賄の疑いで、逮捕されています。捜査関係者も“逮捕は可能”と話します。
捜査関係者A:「ガーシー議員が議員だから不逮捕特権で逮捕されないというのは間違った考え方。警視庁としては被害届を出されたということで、淡々とできることを進めている」
一方、こんな本音も漏れます。
捜査関係者B:「犯罪を起こした議員が海外に高飛びして帰ってこないというのがそもそも警察として想定されていない。参議院でどうにかしてほしいというのが本音」
それでも11日、行われた関係先の捜索に関して、大澤弁護士は強いメッセージがあるといいます。
大澤孝征弁護士:「いい加減にはしませんよという、捜査当局側の意思表示とも言えます。特権を超えてそれ(逮捕)を実行するには、院の承諾を受けるように、内容もそれにふさわしいものであることが必要だってことは間違いない」
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