安倍晋三元総理大臣への銃撃事件で、当時現場にいた警察官の警護員らが1発目の銃声について、「タイヤの破裂音と思った」と証言していることが分かりました。
■1発目の銃声…警護員「タイヤ破裂音かと」
安倍元総理の銃撃事件で逮捕された山上徹也容疑者(41)。今後の焦点は、容疑者に刑事責任能力があるかどうかです。
奈良地方検察庁は、事件当時の精神状態などを調べるため、鑑定留置を11月29日まで行います。
銃撃事件を巡るもう一つの焦点は、安倍元総理の警護態勢に問題がなかったのかということです。
検証チームを作り、原因究明を進める警察庁。現場の警護員に対する聞き取りを通して、新たな事実が明らかとなりました。
警護員:「タイヤの破裂音や発煙筒が使われたと思い、発砲に気付くことができなかった」
安倍元総理を襲った2回の銃撃。1発目の後、数秒後に放たれた2発目が、安倍元総理の首などに当たり、致命傷となりました。
この1発目の銃声について、奈良県警の警護員が「銃による音だと分からなかった」「タイヤの破裂音かと思った」と話していることが、警察関係者への取材で分かりました。
■“前方に不審者いないか”集中的に警戒
これに対し、民間SP会社の代表は、次のように話します。
民間SP会社「IMSP」・牧村博一代表:「タイヤのパンクと思ったとしても、最悪の状況を想定して、対応しなきゃいけないのが、僕たちの仕事。警護している人間は、拳銃や爆弾を発想しなきゃいけない。火薬…煙も立ち込めていた1発目で。あの時点で、退避行動をするべきだった」
また、演説の後に、安倍元総理が聴衆と直接触れ合うことが予定されていたため、一部の警護員は、前方の聴衆のなかに不審者がいないかを集中的に警戒していたということです。
■昭恵さん乗る警護車に追突…SNSで批判の声
そんな折も折、警護の失態ともいえる事故が25日、また起きました。
安倍元総理の妻・昭恵さんが乗った警視庁の車両が、別の警護車両に追突されたのです。
事故が起きたのは、東京・千代田区の首都高速都心環状線の三宅坂ジャンクションです。
捜査関係者によりますと、追突した車を運転していた男性巡査部長の前方不注意が原因だということです。
昭恵さんに、けがはありませんでした。
無事だった昭恵さんに、インターネット上では安堵(あんど)の声が寄せられた一方、警視庁には批判の声が相次いでいます。
SNSから:「マジでなにしてんの、警視庁」「傷心の昭恵夫人に何やってる…。奈良県警のみならず、警視庁までダメすぎる」
2カ月後には、安倍元総理の国葬が控えています。警護態勢の見直しが急がれます。
(「グッド!モーニング」2022年7月26日放送分より)
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